バーニーズマウンテンドッグの原産国スイスで“スイスマウンテンドッグ”(Sennenhunde)と呼ばれている犬種は全部で4種類です。サイズが一番小さいAppenzeller Sennenhunde,、スイス中央エリアEntlibuch原産のEntlibucher Sennenhunde, 一番大型のSchweizer Sennenhunde そして唯一長い被毛を持つBerner Sennenhunde (バーニーズマウンテンドッグ)の4犬種です。
この4犬種すべてがトリカラー(黒、白、茶)の毛色を持ちます。もともとは農場で小型のカートを引く作業犬として、また牧場から遠く離れたアルプスまで牛の移動時の護衛として使われていました。バーニーズマウンテンドッグの様なタイプの大型犬は Dürrbächler と呼ばれDurrbachという小さな町で1900年初頭には数多く存在し愛好家たちはベルンのショー会場に連れて行き、そこで多くの人の目に触れたのです。1904年ベルンにて開催されたインターナショナルドッグショーでオス6頭とメス1頭のバーニーズ(Berner Sennenhunde)が出陳されました。この7頭のうち4頭はスイスケネルクラブに1905年に登録され、その後1908年には8頭が登録されました。Burgdorf出身のブリーダーたちが初めてバーニーズのクラブthe Schweizerische Dürrbach-Klub)設立を果たし1910年までにはバーニーズマウンテンドッグの犬種のスタンダードを確立したのです。その時すでに107頭のバーニーズマウンテンドッグがクラブに登録されておりました。その後1922年までには58頭がスイスケネルクラブで登録され1939年には129頭、1948年には336頭に増え、1936年にアメリカに初輸入され1937年にバーニーズマウンテンドッグとして犬種登録されました。
バーニーズマウンテンドッグの繁殖に関しては当時新しい血統についてずいぶん論議されバーニーズ(Berner Sennenhunde)のメスChristine V LuxはニューファンドランドのオスPlutoとの間に7頭の仔犬を設けましたがすべて足に少し白があるものの外見はニューファンドランドの様でした。7頭のうちメス1頭と3頭のオスが残され、そのメスとバーニーズ(Berner Sennenhunde)のオスAldoと交配し8頭の仔犬が生まれました。オスメス各1頭はバーニーズらしいマーキングでしたがあとの仔犬はブレーズがなかったり身体に白がない等イレギュラーなものでした。次にバーニーズマウンテンドッグ(Berner Sennenhunde)のオスOsiと交配し5頭の仔犬が誕生しました。しかし生存したのはAlex(オス)Bella(メス)だけで、このAlexが交配犬、チャンピオンとなりとても重要な役割を果たすBreeding Dogになり51腹ものバーニーズの仔犬が生まれました。このAlexこそが今日のバーニーズマウンテンドッグの基礎犬という事になります。
その後、欧米各地でコンパニオンドッグとして人気を得てドッグショー、オビディエンス、ドラフト、アジリティ、トラッキング、ハーディング等バーニーズと共に生活を楽しむ人々を魅了し続けて現在に至っています。