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その1 B.M.D Club of America 健康委員会が発表したレポート
その2 気をつけたい目の疾患

その3 成長期に発生する発育性関節疾患
☆バーニーズには目の病気が多い
バーニーズが100頭いたら、その内の15頭はなんらかの眼科疾患を持っていると言われています。
それらはおもに遺伝によるもの。予防が難しい病気もありますが、定期的なアイチェックで異常が早期発見できれば、適切な処置を施せます。


目の遺伝性疾患は徐々に進行するものがほとんど。年一回は動物病院で検査してもらうとよいでしょう。
検査は一時間程度で1万5000円ぐらいが目安ですが、これは病院の設備などによって異なります。バーニーズに多い目の疾患を中心に調べてもらうことも可能です。

目は1歳〜1歳半くらいまで成長を続けます。子犬の時に、まぶたが内側に入る「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」や外側に反ってしまう「眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)」が見られても。目のまわりの筋肉がしっかりしてくれば、自然と治ることがあります。気になる場合には、眼の発育が少し遅れているためか、病気によるものかを専門の獣医師に診てもらうとよいでしょう。

犬の場合、物にぶつかるなどの症状が現われてからでは、治療に手遅れのことが多くあります。様子がいつもと違う場合には早めの対処を。
☆バーニーズの3大遺伝性疾患
バーニーズに見られる代表的な目の遺伝性疾患は3つ。死に至る病気もあるので注意が必要です。

■眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
まぶたが眼球側にめくれる(内反する)病気。まつ毛が角膜や結膜をつねに刺激している状態になると、目やにや涙が出て、角膜炎(角膜の炎症)や結膜炎(結膜の炎症)を引き起こすことがある。放っておくと、結膜炎や角膜炎が慢性化してしまう。1歳以下の若い年齢に多く見られる。

●目頭の部分が入ってしまう内反については、目の成長を見て、1歳以上になってから手術で治してもよい。生まれつき目に刺激を受けていて、涙や目やにが出ている場合には、プチ整形のように一時的に押さえて、自然に治していく方法もあるので、動物病院へ。
■進行性網膜変性(しんこうせいもうまくへんせい)
網膜がダメージを受けて、機能しなくなってくる病気。犬は夜行性なので、80%は暗いところで動くように目の細胞ができている。網膜がダメージを受けると、暗いところで見えなくなり始め、ダメージが80%を超えると明るいところでも見えなくなってくる。ダックスなどの小型犬にも多く見られる。暗いところや夜の散歩を嫌がったり、暗いところで何か変な動きをしたり物にぶつかったりした場合にはすぐに動物病院へ。「暗いところが嫌いな犬」というのはほとんどいないため、嫌がる場合には病気の可能性がある。

●早期発見であれば、なんとか治療の可能性があるが、見えなくなってからでは遅い。明るいところで物にぶつかるなどの視覚障害が出た場合には、すでに手遅れと言われている。網膜変性はビタミンが欠乏していることが多いので、予防としてビタミン剤や抗酸化剤の入っているサプリメントを動物病院で処方するケースもある。
■全身性組織球腫(ぜんしんせいそしききゅうしゅ)
目以外に、腫瘍、皮膚など全身に症状が現れる病気で、バーニーズに多く見られる。悪性の場合には、死に至る。白目の部分が赤くなる「強膜角膜炎」の症状が現れるのが特徴。バーニーズの場合には、白目と黒目が充血していたら、目の疾患ではなく、この病気を疑うべき。赤くなるだけでなく、目が濁ったり、目のまわりにも異常が現れる。皮膚の色素が抜けて薄くなったり、鼻の色が薄くなったりすることもある。

●目だけではなく、皮膚や腫瘍などの治療が必要。
☆その他、注意すべき遺伝性疾患
3大遺伝性疾患以外に、バーニーズに多く見られる目の病気です。全身の病気でも目に症状が現れることがあります。

■眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)
アカンベーをしたように下まぶたが外側にしゃくれてしまう病気。バーニーズの特徴と思われがちだが、通常、外側にめくれることはない。予防はできない。加齢とともに、重力にまけてまぶたが垂れ下がってしまう場合もある。生まれつき眼瞼裂の長い犬に多く見られる。長いため下まぶたが余り、垂れてめくれてしまう。角膜や結膜が表面に出てしまうため、つねに刺激を受けている状態になる。コッカー・スパニエルやセント・バーナード、バセット・ハウンド、ブルドックなど、顔の皮膚にたるみのある犬種も先天的に外反が起こりやすいので注意が必要。

●長い場合には、眼瞼裂を切り、垂れないように短くして治す。ゴミやホコリで目やにがたくさん出る犬は、外出時にサングラスやゴーグル(紫外線がカットでき、医療に使用されている、ガラス部分がしっかりしたつくりのものを選ぶ)を着用すれば、ゴミによる刺激を防ぐことができる。
■白内障(はくないしょう)
遺伝的な原因が大きく、高齢に伴うケースはほとんどない。水晶体の一部、または全部が白濁してしまう病気。肉眼で確認できる。目をのぞき込んで瞳孔の奥が白くなっていたら、白内障の可能性がある。目の表面(角膜)が白濁するのは角膜炎。6歳未満で発症することが多く、6歳以上で起こった場合には、年齢が原因ではなく、糖尿病や網膜変性など他の病気による影響が考えられる。「年をとったから白内障になった」のではなく、何か他に病気を抱えている可能性がある。

●急に起こるものではなく少しずつ進行するため、早い段階で白内障の症状が見られたら、動物病院で進行具合と原因をしっかりと調べてもらうことが必要です。遺伝的な要因の場合には進行を遅くすることはできないが、糖尿病などによるものであれば、早く処置できる。ちなみに白内障の手術は一般的なもので、成功率は98%と言われている。
■まつ毛乱生(逆さまつ毛)
犬のまつ毛は1列に生えているが、それ以外のところから生えてしまっている病気。「眼瞼内反症」とは違い、まつ毛だけが眼球を向いている。遺伝的な疾患で、バーニーズ100頭に対し1頭の割合で見られる。

●逆さまつ毛でも痛がる犬、痛がらない犬がいる。まつ毛自体が柔らかくて、角膜の方を向いていないのであれば、基本的には放っておいても問題ない。犬が痛がっていないのに抜いてしまうと、まつ毛が太くなったり、生える方向が変わり角膜に向かってしまい、逆効果になることも。犬にとって、目やにや涙、痛みの原因になっていないのであれば、そのままにしておいて大丈夫。痛がっている場合には、生えてこないようにする手術を施すこともできる。
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